山口県北部 萩エリア

植草 達郎 Uekusa Tatsuroh

印花ブロックを積み上げて
ユニークな造形世界を展開


生年月日1950年9月4日
出身地神奈川県横浜市
所属日本陶磁協会萩支部
萩焼伝統工芸士会 会員
萩陶芸家協会正会員
窯元名草胆庵達郎窯
開窯年1993年
所在地〒758-0141 山口県萩市川上椿瀬(Googleマップ
電 話0838-54-2039
交 通萩市内より車で10分
駐車場5台
展示場

有り


 工房は、阿武川を遡り、緑の山並みを越えた山懐にあります。ここにのぼり窯を築いたのは一九八九年のこと。「ものをつくるには、いいところです。」
 粘土とは、二十歳のころ、美術の専門学校の陶芸クラブで出会い、「手さぐり、我流で今日までやってきました。たまたま妻の父が萩焼をやっていたこともあって、」三十五歳のとき、萩に来ました。
 それからは食器、茶器、置物等々、頼まれるまま、また自らも「つくる対象は限定せず、個々を真剣に、とにもかくにも土との一体感を得ようと、特にロクロ上での土の動きを掴(つか)むことを心掛けて、」十年が経ちました。
 築窯後は、「のぼり窯を識ること−窯焚きが次の課題となり、苦しんで十年。これは只今も、これから先も続行です。」現在新たに、心象世界表出に取り組んでいます。
 一つの試みとして、今回は、古来の装飾技法、印花を用いて、一×一×二センチメートルの粘土ブロックに様々に印文を押し、積み重ねて形づくり、焚き上げました。=上の作品写真参照。
 文様は花が基本。その文様の連続が、独特の雰囲気を醸して面を飾り、「立体へ立ち上がると不思議な、面白い世界へと展開するようで、のめり込んでいます。」 細かい作業で一日にできる印花ブロックは約百個。上掲作品は約八百個使われているとか。
 また、板状にした粘土を切ったり、繋げたりして成形するタタラ技法でも、工夫のみられる作品展開をしています。
 「新しい方向性を見つけて、どんどんバリエーションを広げていく」と、日夜、頭の中は、物づくりのことでいっぱい。
 「貧乏暇なしです。」
 築窯22年目、只今はお客様の何気ない一言で始まり、やはりお客様に名付けていただいた“萩黒”茶碗、これを生涯の仕事として向き合っています。