山口県北部 萩エリア

納冨 尚子 Noutomi Naoko

洋食の似合う食器の形と色を
逆転の発想から生まれた作風


生年月日1979年10月22日
出身地山口県萩市
所属萩陶芸家協会正会員
窯元名大華山鳥雲窯
開窯年1971年
所在地〒758-0063 山口県萩市山田4431(Googleマップ
電 話0838-22-5822
交 通JR萩駅より車で5分
駐車場5台 
展示場

有(展示場2ヵ所。幅広い分野の作品が展示、即売されている)


 海外に行って、初めて日本のよさを知るという経験をした人は多いでしょう。この作家もそのひとりで、「(陶芸以外の勉強で)海外留学をして、外から見た日本の文化に、それまで以上に魅力を感じたから」と、陶芸の道を選びました。父は大華山鳥雲の納冨晋です。若い感受性と「父の仕事、人生そのものに興味を抱いたから」という生まれ育った環境が、うまくフィットしたというところです。
 現在、主に作っているのは、生活雑器です。そのなかでも「洋食の合いそうな食器」に力を入れています。伝統の萩焼にステーキ、スープ、スパゲティを盛る発想は、「必ずしも整った形、きれいな色である必要はなく、歪んだ形、変化する色や光沢が、作品の魅力になることが多い」という萩焼を自ら分析し、「その奥深さ」を洋食器に転換したものです。
 「基本の美しい形から発展させた新しい形」に、削りで文様を刻んだ作品には、キラリと光る感性が感じられます。その形とは、まさに作家のいう萩焼の奥深さを表現した成果で、削りの大胆かつ繊細なフォルムと油絵風の釉調に、強い主張を込めているようです。
 若いだけに荒削りの感はまぬがれえませんが、生き生きとした勢いは、好ましく映ります。「いまは、いろいろな使われ方をされるシーンを思い描いて、幅広い使用に応えられる食器を作りたい」と一つひとつに時間と手間をかけているそうです。着想は、レストランなどで食事をしたり、自分で創作料理を作るとき、そして、旅行をして風景や自然に触れるとき。「料理の味や素材から形が浮かぶこともあります」。これからは、「食器以外の陶器も手がけたい」と、作陶意欲は膨らむ一方です。日本文化をあっさりとアレンジした感覚が、どんな展開を見せてくれるのか。待たれます。