山口県北部 萩エリア

玉村 好雄 Tamamura Yoshio

現在は、伝統技法を勉強中
いつか自分の土味で茶陶を


生年月日1971年7月26日
出身地山口県萩市
所属萩陶芸家協会正会員
窯元名江風庵窯
開窯年1952年
所在地〒758-0057 山口県萩市堀内二区83-19(Googleマップ
電 話0838-22-2132
FAX0838-22-2156
交 通JR玉江駅より徒歩10分、バス利用は萩城址入口下車そば
駐車場


 大学を卒業してしばらくは東京でサラリーマン生活。「祖父や父を見て、小さいころから手伝いをしていたので、この道に抵抗はありませんでした。しかし、外から陶芸を見て、それからきちっとやりたかった」と三年前に帰郷、下働きからスタートしました。
 「はじめは土に遊ばれている感じ。焦りや葛藤もありましたが、今は目標をたてて、段階を追って身につけていきたい」と、腰を据えて萩焼の伝統技法を勉強中。「手仕事の面白さ、ものづくりの大変さがようやくわかってきました」
 日常に使う食器類を作る一方で、花器や壷などのオリジナル作品にも挑戦。一つひとつに真剣に取り組み、「自分の土味」を求めています。登り窯を焚くのは年に三、四回。ノートにはデータや反省、感想などを記録して、次回のテーマに。「なかなか思い通りにはいきません。その時々の窯の調子をつかめるまでにデータを蓄積して、たくさん経験を積みたい」。表情にはプロとしての意識と自信が徐々に浸透しているように見受けられました。
 作品は地域の展覧会にも出品。「自分でいいと思っても、人の評価は厳しいものです。それも勉強です」
 東京生活が、作陶をするために自分を見つめる期間だったように、現在は陶芸家と呼ばれるための修行期間。これからいくつかのステップを踏んで、めざすのは「萩焼の真髄」という茶陶です。
 「若いころは都会がいい。しかし、年をとるに従って若さだけでは分からなかったものが見えてくる」。近年、若い萩焼の作家たちの活躍が目立つなかで、一歩一歩、自分に問いかけながら階段を昇るように作陶に取り組む姿勢はめずらしい。萩城址の緑がしたたるすばらしい環境に花開く、大器晩成の将来に期待が集まります。