山口県北部 萩エリア

伊藤 廣幸 Itou Hiroyuki

オリジナルの生き方とうつわ


生年月日1949年3月8日
出身地島根県大田市
所属萩陶芸家協会正会員
窯元名工房 風
開窯年1979年
受賞歴
  • 1994年山口県美術展 大賞
所在地〒758-0212 山口県萩市大字福井下字高坂1747-1(Googleマップ
電 話0838-52-0550
交 通JR東萩駅より車で20分
駐車場5台
展示場

建築中(大自然の中国道を楽しみながら)


 一九四九年島根県太田市に生まれ、大阪にて、建築設計事務所に勤める傍ら、何気なく通った陶芸教室でやきものにのめり込みます。
 三年間ほど陶芸教室のスタッフとして勤めた後、萩へ移転して窯を築き、作陶生活が始まりました。当初はまったくつてもなく、牛乳配達などで生計を立てながらの制作でした。グループ展で知り合った作家の紹介で、十二代三輪休雪のアシスタントを二十四年間勤めました。週の半分をアシスタントとして、半分を自分の制作に充て現在に至ります。
 「自分だけでは経験できない大作に携わることができますし、先生の造形概念や思想に直接触れることができることが大きなプラスになります。」技術はもとより、制作の打合せや師との何気ない会話などを自己に対比させ、陶芸のみならず自身の生き方をも学んでいます。アシスタントの経験を生かし、山口県美術展に出展。一九九四年には何百足もの靴を集めて二メートルほどの球形に固め、生土を構築してインスタレーションした大作で大賞に選ばれています。
 今回出展の「碗」は、打ちっぱなしのコンクリートのテクスチャー、建造物を模した造形によって現代文化の中の「侘び寂び」を表現、固有の茶陶感を模索しています。
 数年前、萩市郊外に移転して、現在展示室を建築中。「生活の中に生きる器をつくりたい。」あせらず独自の歩調で陶芸と、そして現代という時間に向き合います。確かな歩みを感じるオリジナルな「うつわ」の創造へ向けて、今後の活躍が期待される作家のひとりです。