山口県北部 萩エリア
兼田 知明 Kaneta Tomoaki
焦らず、急がず、休まず
自分の方向性発見にスタート
生年月日 | 1976年3月6日 |
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出身地 | 山口県萩市 |
所属 | 萩焼伝統工芸士会 会員 萩陶芸家協会理事 |
窯元名 | 勝景庵 |
開窯年 | 1817(文化13)年 |
受賞歴 |
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所在地 | 〒758-0011 山口県萩市椿東前小畑4831-3(Googleマップ) |
電 話 | 0838-22-6168 |
駐車場 | 4台 |
展示場 | 有(茶陶を中心に展示) |
H P |
陶芸の道に入って20年目。「やっと萩の土に馴染み、焼き上がりを意識して作れるようになりました」。それまでは倉敷芸術科学大学工芸コースと同大学院陶芸専攻で六年間、基礎を勉強、備前焼の人間国宝、故藤原雄先生、現代工芸浅見薫先生、その他多くの先生に学びました。
しかし、「父(兼田佳炎)に学ぶことが多い」と、まだまだ修行の身であることを強調。「(父は)遠くから見ていて、ポツリポツリとしかいいませんが、土に向かう姿勢や窯から出した作品に対する厳しい目に接すると、やきものの奥深さに身のすくむ思いです」
いまは「一作、一作に心を込め、温かみのある作品を作ること」に専念、「長年培われた歴史、飽きのこない、使ううちに変化していく萩焼のよいところをつかみたい」
このような作陶の日々のなかで「人に使ってもらえるような形と手にもった感触に、自分を表現できればいい」。そして「自分が作った作品と分かってもらえるような、自分の方向性を早く見つけたい」。そのためには、時間がゆるすかぎり美術館や展示会をめぐり、陶磁器はもとよりさまざまな美術作品を鑑賞。「山奥にない情報と刺激を求めています」
好きな言葉は「焦らず、急がず、休まず」。どうしても心がはやり、人と比べてしまう自分に気づいたとか。
「たくさんの先輩たちを見ていると、長い歳月をかけて築いてきた重みのような何かが作品ににじみ出ています。自分の未熟さを痛感します」と語る表情には、その何かを求めて歩きはじめた強い意志が輝いているようでした。二百年の歴史を持つ伝統の窯元で模索する若者。その姿は、これから百年後、二百年後の新しい萩焼の伝統を成形する。