山口県北部 萩エリア
十三代 三輪 休雪 Miwa Kyusetsu XIII
格闘の延長線上にある形
生年月日 | 1951年7月7日 |
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出身地 | 山口県萩市 |
所属 | 国際陶芸アカデミー会員 萩陶芸家協会正会員 |
窯元名 | 不走庵 三輪窯 |
受賞歴 |
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所在地 | 〒758-0011 山口県萩市椿東2721(Googleマップ) |
電 話 | 0838-22-0448 |
交 通 | 松陰神社より徒歩5分 |
駐車場 | 5台 |
展示場 | 有(要予約・不定休) |
H P | |
一九五一年、三輪壽雪の三男に生まれ、やきものとの関わりはまさに日常、呼吸するに等しい存在でした。しかしこと「陶芸」の原体験といえば、中学の時に見たアメリカの陶芸家ピーター・ヴォーコスの作品。陶による表現の領域の広さに衝撃を受けるとともに無限の可能性を感じました。
一九七五年にアメリカ、サンフランシスコ・アート・インスティテユートヘ留学、彫刻科の陶芸部門に籍を置き、様々な可能性を探りました。帰国後、陶芸を自らの人生と決意した三輪和彦は素材や技法、制作過程を紐解いて、そのひとつひとつの可能性を獲得することから出発しています。
デビュー作「DEAD END」は四十数トンもの生土を構築、一九八四年の初個展「恒久破壊」では、轆轤と紐造りによって高く太く立ち上げられた円筒形の一端を縦に切り開き、広げて自然に亀裂を生じさせ、土の持つエネルギー、生命感や存在性を露にして自己の造形に結びつけました。また直径一・五メートル程のドーナツ状の造形「無題Ⅰ~Ⅴ」は、トラック数台分の薪を使い、十四、五時間かけて野焼きで制作されました。土から陶へと移りゆく「焼成」を原初的な行為として、自己の表現とどこまで接点を結び得るかという試みでした。
新作「花冠」では、一体百キロ以上もの土の塊をフォークリフトの先端に固定した鋼の刀で斬り込み造形しました。素材の特性を十二分に心得た技法と道具の選択で、シャープで土の持ち味を殺さない艶かしい表情が生まれています。三輪和彦は自らと素材、技法、技術の選択に同格で対峙して真正面から闘いを挑み、ぎりぎりの可能性を引き出して独自の造形表現へと結実しています。
二〇一九年(令和元年)、十三代三輪休雪を襲名。