山口県北部 萩エリア
野坂 和左 Nosaka Kazusa
造形からつかむ色彩と肌合い
自己を模索する次代への息吹
生年月日 | 1966年 |
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出身地 | 山口県萩市 |
所属 | 日本工芸会正会員 萩陶芸家協会理事 |
窯元名 | 野坂江月窯 |
開窯年 | 1937年 |
受賞歴 |
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所在地 | 〒758-0063 山口県萩市山田4319(Googleマップ) |
電 話 | 0838-22-0879 |
交 通 | JR玉江駅から萩駅方面徒歩10分 バス停 楽々園前 徒歩1分 |
駐車場 | 10台 |
展示場 | 有 |
H P |
伊羅保釉で著名な康起の長男。玉川大学文学部芸術学科、京都市工業試験場で陶芸を学んだのちに本格的な作陶活動に入りました。「萩焼の伝統を含みながらも、個性を表現していきたい」という言葉の端には、江月窯の継承者としていくつかの葛藤を乗り越えてきた手ごたえのようなものが覗かれます。
求める個性とは、ロクロ成形による洗練された形。「ラインや膨らみの一つひとつに必要性とその意味を意識しながら、今はいろいろな形に挑戦しています」。作品はふだん使いの器が中心ですが、最近は鉢や花器の大きなものへと造形の世界は拡大しています。そして「形から見えてくる陶肌や色彩があるはず」と、着実な歩みを確かめる作陶スタイルは、次代へはばたく大きな期待を抱かせてくれます。
そして、エネルギッシュな創作意欲をさらに刺激したのが、七年前に制作した陶壁でした。縦四・八メートル、横六メートルの広い壁面を飾るのは、四十五センチメートル四方の陶板、二百八十ピースです。デザインは、萩を象徴する日本海の海原と椿。「統一された色調を出すために、試作の繰り返しでした。きっちり焼き上げなければいけないのも大変なプレッシャーでしたね」。一年かけたこの大作は、萩市のウェルハートピア萩のロビーを飾っています。
「とにかく何にでも挑戦してみよう」という作品には、既成の形にとらわれない新鮮な息吹を感じさせてくれます。また、公募展などにも積極的に出品して自己を模索。「多くの人に見てもらうことで、自分をもっと厳しく見つめていきたい」と、茶陶の世界へも情熱を燃やしています。