山口県北部 萩エリア
納冨 晋 Noutomi Susumu
『青萩』深い青に魅せられて
裂文、流文の陶肌に表現展開
生年月日 | 1951年2月19日 |
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出身地 | 山口県萩市 |
所属 | 日本工芸会正会員 萩陶芸家協会正会員 |
窯元名 | 大華山鳥雲窯 |
開窯年 | 1971年 |
受賞歴 |
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所在地 | 〒758-0063 山口県萩市山田4431(Googleマップ) |
電 話 | 0838-22-5822 |
交 通 | JR萩駅より車で5分 |
駐車場 | 5台 |
展示場 | 有 |
H P |
二年間のディスプレー会社勤務を経て、父鳥雲に師事して作陶生活に入った一九七五年、「あのころは、注文がありすぎてとにかく忙しかった。茶陶が多かったですね」。多忙のなかにも修行を重ねて、この道を選んだ「企画から制作へと自己表現の場になる」という動機を体現できるようになったのは十年を過ぎてからでした。
きっかけは、攻め焚きによる還元炎焼成で焼くと、器の表面に現出する青い色に魅せられてからです。「釉の使い方がようやく自分のものになったと思いました」。土の配合と釉によって、深い藍色から淡いブルーと思い通りの色が出せるようになり、『青萩』と称する大きな皿や壺といった作品群へと発展していきます。一方でこの青を基調に、釉と素地の熱膨張差によって起こる裂文、透明釉をかけて文様をいれる流文、ゆらぎシリーズなどの作品を発表して、“青萩の納冨晋”の名を高めます。
「すべての出来事は、必要なときにやってくる」というのが持論。不幸もそのとき、その人に与えられた試練ととらえ「たくさんの失敗をしてきたからこそ、今の自分があると思います。マイナス面をポジティブに考え、いかに利用するかです」
こうした経験から「自然のなかにある形に学び、形が呼ぶ釉がある」という境地に達し、「こだわりを手かせ足かせにして徹底的に追求する」姿勢を確立。次の段階に進むまで、納得のいくまで多くの時間を費やした作品には、心を落ち着かせる風格がにじみでています。萩市西郊の山懐にある工房と展示場。四季の移ろいや小動物たちの息遣いを肌で感じられる空間で鑑賞する萩焼は、また格別の味わいがあります。