山口県北部 萩エリア
都野 栖雲 Tsuno Seiun
主張しすぎない存在感を
多くの経験から自己作品に
生年月日 | 1943年10月10日 |
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出身地 | 山口県萩市 |
所属 | 萩陶芸家協会正会員 |
窯元名 | 栖雲窯 |
開窯年 | 1975年 |
所在地 | 〒758-0063 山口県萩市山田東沖田4328-5(Googleマップ) |
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電 話 | 0838-22-7911 |
駐車場 | 3台 |
展示場 | 15㎡ |
H P |
「すべての工程を自分ひとりでできるのがいい」と一九七二年に帰郷して陶芸の道へ。それまでは東京で友人とファッション事務所を経営し、映画衣装などの注文服を手がけていました。「元来、ものづくりは好きでした」と、はじめは窯元天鵬山で学び、三年後に独立しました。
茶陶からふだん使いの器まで幅広く制作していますが、「植物性の釉薬で柔らかい風合いに仕上がる」という萩焼の魅力を出しながら、「無駄を削ぎ落としたシンプルさのなかに存在感を持ちながら主張しすぎないもの」をめざしています。
元ファッションデザイナーらしい繊細な表現ですが、そのためにわら灰釉の純粋な白を求めたこともありました。また、ガス窯、半地上型の窯、電気窯、のぼり窯などのさまざまな窯で焼きあがりの試行錯誤を重ねてきました。
「たくさん失敗もしました」という経験から得たものが作品に生かされ、「萩焼に適している」とのぼり窯に落着きました。そして、「自然体でロクロに向かい、手のなかで土が踊る感じで成形していく。これを持続していければ」との課題も残りました。
「感動しにくい体質」と自分を語り、自分で経験してみなければおさまらない性格のなせる業(わざ)といってしまえばそれまでですが、半面、あらゆるものを客観的に見ようとする執拗な探究心が、これからのオリジナル作品をつくる源流となるかもしれません。
しかし、一度だけ感動したことがあります。東京国立博物館で接した本阿弥光悦の茶わん「不二」の、その力強さと幽玄さに一幅の墨絵を見る驚きを禁じえなかったそうです。「あのときは、感動した自分にうれしくなった」と自己分析を忘れない。