山口県北部 萩エリア
黒田 岳 Kuroda Gaku
先人たちの土と火への思いを
現代にいかに生かしていくか
生年月日 | 1946年5月13日 |
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出身地 | 長野県諏訪郡 |
所属 | 萩陶芸家協会正会員 |
窯元名 | 南地工房 |
開窯年 | 1977年 |
所在地 | 〒758-0063 山口県萩市山田4425−1(Googleマップ) |
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電 話 | 0838-25-5523 |
交 通 | JR萩駅より車で5分 |
萩には、陶芸を志望して全国から人が集まります。「萩は海と山がすばらしい」というのが第一印象です。「現像屋からやきもの屋になりました」と洒脱なこの作家も、あちらこちらの窯場を見てまわり、多くの書画や彫刻に接した後に、萩に落ち着きました。「緑深い自然がよかった」と、萩市西郊の山間に仕事場を構えます。
作陶生活は、「葛藤の連続、やればやるほど分からないことが増えてくる」と述懐。それは、知っている部分が少ないことの裏返しで、「土と火と灰の競作(しわざ)」と表現して、土の微妙な差、ねらいたい色合い、材質感を求めて、それは「作るしかない」。再び模索する日々が続いています。
「この十年間は、鬼萩の化粧と焼き方の試行錯誤のうちに過ぎました」。今年になってから、少し思いに近い作品が出来るようになりました。そして、現在は「灰釉の花器作品が多くなってきましたが、堅焼きの鹿の子と藁灰釉(白萩)の試し焼きをしています」
もともと、高麗物に興味を抱き、昔の陶工が引き出した土のよさ、火のすばらしさを「やきものの原点」といい、江戸時代の茶人が見出した「土くさいものをよしとする好み」に共感します。しかし、それは彼らの生き方の背景であり、当時の生活の所作から派生したもので、「現代と比較するとどうなのか、いまに通用するヒントが隠されているのではないか」と追及します。
これほどまでにやきものに対して、執拗に模索する情熱はどこから生まれるのか、奥行きの深い作陶への真摯な姿勢に、この作家は完全に萩の陶芸家になったのだ感じました。「これからは、土と窯と窯焚きのことをもう少し知り、土の材質感を生かした仕事ができたらと思います」と。際限のない試作は、作家としての崇高なライフワークなのかもしれません。