山口県北部 萩エリア
兼田 昌尚 Kaneta Masanao
土の塊の圧倒的な存在感に
彫刻的な造形意識を融合
生年月日 | 1953年9月21日 |
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出身地 | 山口県萩市 |
所属 | 萩陶芸家協会正会員 |
窯元名 | 天寵山窯 |
開窯年 | 1817年(文化13) |
受賞歴 |
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所在地 | 〒758-0011 山口県萩市椿東前小畑4867-1(Googleマップ) |
電 話 | 0838-22-2468 |
駐車場 | 4台 |
展示場 | 有 |
H P |
「粘土細工や木工が好きだった」少年が、東京教育大学、筑波大学大学院で彫塑を学び、父三左衛門に就いて作陶をはじめます。蹴ロクロで茶碗から大きな壺まで、「ヘトヘトになるまで」夢中で作りつづけました。
それから十年後、「ロクロに振りまわされているのでは、自分のやりたいことと違う」という疑問が体内に充満していきます。「もっと自由に自己を表現したい」。そうして得た結論は、まず土の塊に正面から向かうことでした。
土の塊を板の上に何回も叩きつけ、さらに両手のひらで叩きます。やがて土が締まり、より強固な塊となって土は成形されるべく主張をはじめます。ここまでの過程を「さながら格闘技」と表現した人もいます。
つづいて木の板で叩いて成形します。叩くごとに新しい面が生まれ、面と面が交差するところに生き生きとした特有の稜線が出現します。この土のフォルムは、さらにカンナで内側を刳り貫かれて器としての容姿を見せはじめます。刳貫の技法です。
白釉、灰被、粉引といった技法によって焼き上げられた“もと土の塊”は、力強い立体量感を持ち、圧倒するような空間性と俊敏な動性を備えた茶碗、花入、水指、皿などへと変貌します。これを「土の塊が持つ存在感と自分の彫刻的な造形意識のせめぎあいと融合」と表現。
この時点で評論家は「萩の地で萩の土を使って作陶しながら、陶芸の個人作家として生きる道を選んだのである」と称賛しています。素材と技法からスタートする陶芸の世界に、自由な考え方をいかに表現していくかという新風を吹き込んだ造形が見どころです。