山口県北部 萩エリア

金子 司 Kaneko Tsukasa

新たな視点と自由な発想による色と形
固有の『うつわ』の創造に向けて


生年月日1970年4月10日
出身地山口県萩市
所属萩陶芸家協会理事
窯元名カネコツカサ
開窯年2005年
受賞歴
  • 2000年益子陶芸展 入選
    山口県美術展 優秀賞
  • 2004年朝日陶芸展 入選
所在地〒759-3721 山口県萩市三見2300-1(Googleマップ
電 話0838-27-0238
交 通三見小中学校手前
駐車場10台


 陶芸を志したのは、叔父の金子信彦のいる城山窯に就職してから。はじめは作家としてというよりも、いわゆる職人という感覚で、やきものと向き合っていました。次第に陶で自分を表現する思考が芽生え、一九九五年、写真や絵画を志す同級生など四人で展覧会を企画し、はじめて自分の作品を発表しました。
 一九九八年山口市のギャラリーで初個展を開催。この頃から現在に至る絵付け(墨流し)による作品を手掛けるようになりました。
 成形した作品の表面に色を加えた化粧土をスポイトでたらし、形状に添って自然な流れを呈してグラデーションが生まれたり、流れ落ちる過程で多方向に振動を加えることによってマーブル状に交わり胎土と調和します。また、色の異なる化粧土をスポイトでドット状にうめていき、色彩と紋様の連続する変化を呈した作品も制作の軸となっています。
 この一連の技法を用いた作品で、二〇〇〇年に益子陶芸展で入選したのに続き、山口県美術展では、藍色の化粧土を流し彩色した直径一・五センチメートルの球形を二万五千個ほど制作し、長さ二メートル・直径二センチメートルの透明パイプの中にびっしり詰め、水を注入、このアクリルパイプ百本を床に敷きつめた作品「経筒」で優秀賞を受賞しました。
 「既存のうつわ、例えばどんぶりならどんぶりの形、コーヒーカップならそれらしい形というのが決まってるじゃないですか。なんかその既成概念が自分にはしっくりこなくて…」独自の『うつわ感』による固有の造形を目指し、今はいろいろなことにチャレンジして感性の幅を広げながら、自己を模索しています。次世代らしい自由な発想と伝統の素材や技法による新たな領域の獲得が期待される作家のひとりです。