山口県北部 萩エリア
五十嵐 茂典 Igarashi Shigenori
すべての作業を楽しむ心構え
いろんな技法に積極的に挑戦
生年月日 | 1952年10月30日 |
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出身地 | 宮崎県延岡市 |
所属 | 萩陶芸家協会正会員 |
窯元名 | 五十嵐窯 |
開窯年 | 1990年 |
受賞歴 |
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所在地 | 〒754-0411 山口県萩市大字明木2813−6(Googleマップ) |
電 話 | 0838-55-0243 |
交 通 | JR萩駅より山口方面車10分 |
駐車場 | 5台 |
展示場 | 有(花器、茶器中心の展示室と食器中心の展示室) |
「ひまがあれば仕事をしています」という職人気質ですが、工房に流れるBGMはクラシック。下関で船舶の設計会社に設計士として勤めていましたが、オートバイのツーリングでたびたび萩に来るうち萩焼に心惹かれ、二十六歳のときに兼田三左衛門の天寵窯に弟子入り、十一年間の修行を経て、一九九〇年に現在地で独立しました。
「設計は一部分しかできないが、物作りは始めから終わりまで全部できる」。土作りから釉の調合、窯焚きはもとより、さまざまな技法の試作など、「ひとりで楽しんでいます。性格に合っているんでしょうね」と。釉調にもこだわり、自分の色を出すために弁柄や塩を利用したり、貝殻を下へ置いたり、異なった化粧土を重ね掛けしたりと、作陶のいろんな技に挑戦し、また、窯焚きは時間をかけて、しっかりと土を焼き上げています。
釉を掛け外して土肌を模様にした皿やカップ、タンブラーはシリーズで発表。力強い造形の刳貫も、土に触れてみるだけで刳貫くタイミングが分かるようになりました。
作るものは、食器が中心だが茶陶、花入と幅広く制作。「(食器は)使いやすく、飽きのこないシンプルさ」を心掛けるも、「それが難しい」。また、花器や壺などは造形性と独創性を重視して、個性的な作品をめざします。「食器の入選が多い」とか。二〇〇三年、郷里の延岡で初の個展を開きました。
工房がある明木の里は、春はウグイスが鳴き、夏の川にはホタルが舞い、アユが泳ぐ。秋の山は紅葉に彩られ、カキやクリの山の幸に恵まれます。「田舎が好きなんです」というその風景にすっかり溶け込んだ作陶生活がそこにありました。