山口県北部 萩エリア
岡田 裕 Okada Yuu
土に対峙する緊張感を形に西域体験から広がる作陶世界
生年月日 | 1946年3月23日 |
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出身地 | 山口県萩市 |
所属 | 日本工芸会正会員 萩陶芸家協会専務理事 |
窯元名 | 晴雲山岡田窯 |
開窯年 | 1782(天明2)年 |
受賞歴 |
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所在地 | 〒758-0011 山口県萩市椿東前小畑4885番地(Googleマップ) |
電 話 | 0838-25-3737 |
交 通 | JR東萩駅より車で5分 |
駐車場 | 10台程度 |
展示場 | 有(茶陶を中心に展示) |
「家を離れて、やきものの魅力を認識した」と二十六歳のときに帰郷。「ふところの広い、人を自然に包み込むやさしさとやすらぎがある」という萩焼の道に入りました。家は天明年間から続く伝統ある窯元、七代の父仙舟に師事、二〇〇四年に八代目を継承。開窯時ののぼり窯はいまも健在で、萩に現存するものでは最古といわれています。作陶の基本は形。「土には生きているメカニズムのようなものがあります。思うようにならない歯がゆさに耐えて、語りかけ、なだめて新しい形を引き出してやる。それが作り手の使命です」。
日常で使われる食器の面白さと難しさに対して、料理を引き立てる形とやわらかい色合いを追求。「萩焼はもろく、壊れやすい。それを上手に取り込んで、自己主張の少ない器を作るのも魅力です」。端正な形、窯変を生かした白釉、また、透明釉の土味を生かした穏やかな気品は、岡田作品ならではのもの。そうした繊細さは茶陶にも生かされ、茶人に重宝されています。半面、伝統的に少ない白釉窯変の大壺を伝統工芸展に発表するといった大胆さも持ち合わせています。「白萩釉や窯変の美しさだけでなく、萩の土の温かさ、力強さといった素材との対峙によって生まれる緊張感が、作陶するうえでよいバランス感覚を保っています」
二十年前から数回訪ねたシルクロードとチベットの旅。そこで体験した天地悠久の不思議な空間と歴史に圧倒され、秀麗な山々のフォルム、どこまでも広がる朝焼け、厳しい自然のなかの人と文化を花器や壺に映しこむ作業が続いています。「苦しい旅で得た新しい世界、人生観とかヒューマニズムといった概念が作域を広げ深めて、生活の用を超えた器作りがライフワークになりそうです」